企業における理念を体系的に説明

理念とは、「物事についての、こうあるべきだという
根本の考え」とか
「物の原型、不変の完全な存在。
イデー、イデア」等、一般に定義されており、
そもそも広義的ですが、
企業における理念も、
経営理念、企業理念、
社是、社訓、MISSION、VISION、CoreValue、Value、ACTION、CREDO、行動理念、行動指針。
等、
数多く存在し、
それぞれの専門的な解説や好事例も多く存在します。
 
これら一つひとつの深い理解と考察は確かに重要ですが、それぞれの関連性を体系的に理解しないと、
効果的な導入が図れません。
現に専門書や企業の事例を検証すると、
項目毎の関連性が整理できていなかったり、
内容が入れ替わっていたりとか、
やや混乱を来しているケースが見かけられます。
故に著者は、
右のような図で、企業における理念を体系的に説明しています。

企業における理念は、まず事業に関わる者一人ひとりの理念と、企業が全体として持つ理念に分かれます。
 
多くの企業は、最初は一人の創業者や、少数のチームで始まります。そこには創業史があり、
社史があります。
こうした過去を振り返ると、創業者やチームが人として大切にしてきた、
または一貫した想いがあるはずです。
それらを定義するのが「基本理念」です。
なぜそれが「基本」となり得るのか？
本来の事業拡大は、利益の分配のみで人が増えるのではなく、
創業の想いをベースに人が集い、
拡大するからです。
故に「基本理念」は、事業に関わる者一人ひとりの
心に、浸透させるべき理念となり、
多くの場合、前述の「MISSION VISION VALUE」における、
根本的な行動価値、
CoreValueと関連しています。
そして「基本理念」をベースに、
一人ひとりがどう行動すべきかを定義するのが、
「行動理念」「行動規範」「行動指針」となります。
 
では、企業が全体として持つ理念、
「経営理念」ですが、
こちらは「MISSION VISION VALUE」に
関連します。
企業は、根本的な行動価値を活かし、
理想の社会を実現するために、社会に貢献します。
その流れは「MISSION VISION VALUE」で表現されますが、例えばその全体像を明文化したり、
特に大切な「CoreValue」の真意を、
別の角度で表現したり、
「VISION」を具体的に書き記したりと、
様々な表現が考えられます。
 
この様に、それぞれの理念を体系的に捉えれば、
それぞれの理念が重複したり入れ替わることもなく、
また具体的な事業活動における意志決定や行動計画に、適切に活かすことが出来る様になるのです。